韓国でも名作と評価されているMBCの「赤い月青い太陽」、JTBCの「凍てついた愛」を続けて見ました。
この2つのドラマは放送時期も近いのですが、ドラマのテーマも似たものになります。
赤い月青い太陽は「児童虐待」、凍てついた愛は「校内暴力」がテーマになりますね。
今回はこの2つのドラマについて書いてみたいです。
児童虐待が中心の事件と、校内暴力が中心の事件を扱ったドラマということで、似た雰囲気を感じる両ドラマです。
ですが、赤い月青い太陽は虐待をしていた親が殺されていく連続殺人を追うドラマ。
凍てついた愛はいじめがきっかけで起きたと思われる転落事故の真相を追うドラマになります。
こうしてみるとテーマは似ていても、ドラマの内容は違った印象に。
そして実際に見てみても雰囲気はけっこう違うんですよね。
赤い月青い太陽はミステリードラマ色が強く、凍てついた愛はヒューマンドラマ色が強いです。
赤い月青い太陽で起きる事件の真相を探っていく主人公は、刑事と児童カウンセラーです。
児童カウンセラーも容疑者の1人ではありますし、事件の当事者と言えなくはないのですが。
どちらかと言えば第3者が事件を探っていくドラマになりますね。
一方で凍てついた愛は当事者である、いじめ被害者の両親(家族)が事故の真相を探っていくドラマです。
赤い月青い太陽のラスボスは連続殺人事件の黒幕、凍てついた愛のラスボスは転落事故の真相を隠ぺいしようとする理事長(いじめ加害者の父親)です。
凍てついた愛の方はヒューマンドラマ色が強いので、感動するドラマになっています。
赤い月青い太陽は感動が前面に出てくるようなドラマではないですね。
児童虐待と校内暴力がテーマなので、どうしても暗いく重たい雰囲気にもなるドラマです。
ですが重さで言えば凍てついた愛の方が上だと思います。
赤い月青い太陽の殺人事件そのものは被害者が虐待親なので、さほど悲壮感はないんですよね。
それに地上波のドラマということもあってか、虐待のシーンも暴力的なところはほとんどありません。
一方で凍てついた愛は主人公の息子が転落事故で昏睡状態になっているので、そりゃあ暗い雰囲気ですよね。
それに校内暴力を隠ぺいしようとする学校関係者や加害者の親の態度も腹が立ちます。
赤い月青い太陽だとそういう嫌なヤツが死んでいくところもあるのですが、凍てついた愛は終始腹の立つところはある。
赤い月青い太陽と違い、気が休まるようなシーンも特になかったですからね。
心理的な負担が少ないのは赤い月青い太陽の方じゃないかな?
とはいえ、徐々に明るい兆しが見えるのも凍てついた愛です。
原題は「美しい世界」というだけあってきれいな終わり方ですね。
基本的に悪役も、いじめ加害者である息子を守る親の愛情として描かれるわけですから。
立場が違えば自分もそういう親になったかもしれないというところ。
希望的な終わり方を見せた凍てついた愛に比べ、赤い月青い太陽は決して明るい終わり方をしたわけではない。
凍てついた愛は良くも悪くも親の愛情ですが、赤い月青い太陽は基本的に愛情のない親が描かれていたわけだからな。
もっとも、誰でも児童虐待の加害者になる可能性はあるわけで、終わり方も啓発的な側面が強かったです。
マイナスポイントで言えば、凍てついた愛の序盤の暗さは見る人によってはマイナスになると思います。
赤い月青い太陽は序盤のストーリー展開がわかりにくいのはマイナスだと思います。
赤い月青い太陽と凍てついた愛はどちらも素晴らしいドラマでした。
個人的にどちらの方がハマったかといえば「凍てついた愛」です。
(凍てついた愛を後に見ているので、より印象に残っているというのもあるかもしれませんが)
それにしても没入度は明らかに凍てついた愛の方が上でしたね。
ミステリー的な面白さは赤い月青い太陽ですが、凍てついた愛の方がより感情が揺さぶられましたからね。
感動的で引き込まれる。
先にも言いましたが赤い月青い太陽は序盤がわかりにくいのもマイナスです。
凍てついた愛の序盤の重く暗い雰囲気に関しては、子供もいない僕には本当の意味で主人公に感情移入することがなかったので、いくらか気楽に見れるところはあったと思う。
個人的にはどちらもおすすめするし、見た方が良い名作だと思う。
どちらも序盤が万人受けするものではないのかもしれませんが、中盤以降は引き込まれるものがあります。
児童虐待と校内暴力という重たいテーマながら、けっしてドロドロ系ではなく、よくできたストーリーです。
こういうメッセージ性の強い作品こそ韓国ドラマですね。
イケメンキュンキュン系もけっこうですが、こういう作品こそ見てもらいたい。
赤い月青い太陽も凍てついた愛の方もそう思わせるウェルメイドドラマです。