ドラマ「99億の女」で主人公チョ・ヨジョンの夫を演じたチョン・ウンイン。
強面の俳優さんで、今回は完璧にキャラを消化していた印象。
それゆえに批判もあったわけですが・・・。
※ネタバレ表現あり
僕が国内ドラマに比べ韓国ドラマの好きなところは、リアルな人間のドラマであることがあります。
日本だとコメディドラマでなくてもコメディっぽい演技や演出になるので、どこかアニメっぽい印象を受ける。
その点、韓国ドラマは蓋然性が求められるだけあって現実にいそうな人間のドラマといった印象。
ただ、そのリアリティがあるところも善し悪しがあって、暴力シーンは見るのがしんどいところもある。(僕は手術シーンも苦手)
個人的には、暴力は暴力でも特に虐待がしんどいですね。
「マザー」や「赤い月青い太陽」で見た、子供の虐待はしんどい。
そして今作「99億の女」では家庭内暴力、いわゆるDVのシーンがひどかった。
現地でも視聴者が離れた理由とされるのが、チョン・ウンインの度重なる虐待シーンです。
初回から暴力シーンがありましたが。
その後も何度も暴力シーンがありましたね。
全盛期チョ・ヨジョンがここまでやるのも凄いな・・・。
DVのシーン以外でも不気味で怖いキャラだったので、見ていて嫌な気持ちになるところが。
まあ、チョン・ウンインは役者としては良い仕事をしたわけですけど。
99億の女は放送局がKBSなので、日本でいうNHKでの放送ですからね。
だからより視聴者の反感もあったと思われる。
前半のチョン・ウンインは本当に悪い人に見えるし、本当に嫌なキャラだった。
チョン・ウンインを巡ってはストーリー上も批判の声があった。
99億がチョン・ウンインの手に渡り、その後は99億を巡るエピソードがほぼなくなったこと。
チョ・ヨジョンもあれだけ99億に執着していたのに・・・。
結果的にチョ・ヨジョンも非好感キャラになっていったので、その点も竜頭蛇尾評価を受けるポイントになります。
そのころになるとチョン・ウンインは妻を取り戻すことに躍起になり、暴力シーンはなくなった。
危険を冒してまでチョ・ヨジョンを助けるシーンもあり、どこか頼もしさも感じるキャラになりましたが・・・。
そうはいっても前半の暴力シーンがひどかったので、素直に見直すことができるキャラでもない。
ゆえにどこか行き詰ったストーリーに感じてしまうところがありました。
チョ・ヨジョン、チョン・ウンインを含めキャストの演技はさすがだったし、役者的な魅力は感じるドラマだったんですけどね。
ストーリー面では底力の不足も感じたドラマです。
前半のDVがなければチョン・ウンインももっと良いキャラに感じることができただろうな。
後半は反応に困るキャラでしたし、前半は見るのがしんどいキャラだった。
チョン・ウンインは素晴らしい仕事をしたわけですが、キャラ的にはドラマが伸び悩んだ原因なのかも・・・。