韓国ドラマ「君を守りたい」でヒロインであるサンミの父親を演じたチョン・ヘギュンです。
サンミ役のソ・イェジとは「イブ」でも共演していますね。

今作のサンミのお父さんはとても強烈なキャラクターだった・・・。

・洗脳されたお父さん

振り返ってみると、お父さんの事業失敗がすべての始まりだったわけですが・・・。
息子が死んだり妻が精神崩壊したりと、家族が不幸になったときに救船院と出会ったわけですね。

何かにすがりたい気持ちもわかるし、現実逃避としてそれらの不幸を神の啓示だと考えたのかな?
救船院の信者になった蜘蛛の巣が十字架に見えるシーンは印象的。




まあ、信者になるだけならいいのですが・・・。
サンミを監禁したり、警察官の前でも事実上の体罰を与えたりと酷い有様でしたからね。
娘を苦しめるお父さんを見るのは辛いものがありました。

お母さんの状態が良くならないのもサンミのせいだと暴言も吐いたし。
サンミがガラス片でペク・ジョンギを襲って怪我したときも、サンミよりペク・ジョンギを心配していたし。




挙句の果てにはサンミが「性交渉を要求されたらどうすればいいの」と聞いたら、「救いの洗礼として受け入れろ」ですからね。
あれでサンミからも見捨てられてしまったお父さんです・・・。

そもそもお父さんが救船院の幹部になったのは、サンミを差し出したことが理由だからな。
家族や娘のためになると信じ切っているわけですが、理解しがたい感覚ではある。

・唯一のバッドエンドを迎えた男

お父さんの洗脳は最後まで抜けることはありませんでした。
最終回のラストでは街中で布教活動をしている姿が見られましたね。
通行人には無視や嘲笑されるというバッドエンドです。




「君を守りたい」は基本的にみんなハッピーエンドを迎えたドラマです。
カン使徒やその他の信者も洗脳が抜けていませんが、それはハッピーでもバッドでもない普通の結末。

一方でお父さんの場合は家族にも捨てられたバッドエンドと見ることができますね。
せめてカン使徒の隣で幹部として布教活動をしている姿なら印象も違いますけど。
元々は良いお父さんだったのに、結末があれではバッドエンドと言われても仕方がない。

ただ非常に現実的な結末を迎えたとも言えます。
それにお父さん自身は決して不幸ではなく、希望を持っているのでしょうからね。
誤った信仰心が人生を破壊するというキャラクターですな。




途中からはチョン・ヘギュンがそういう人にしか見えなくなったからな・・・。
それくらい素晴らしい演技を見せてくれました。
カルト宗教にどっぷりとハマったような笑顔が印象的だった。
見るのがしんどいキャラクターではありましたが、個人的には今作のMVPです。