現在話題のtvN土日ドラマ「ヴィンチェンツォ」です。
脚本家の前作は大ヒットドラマ「熱血司祭」。
ヴィンチェンツォはネットフリックスでも見られるので日本でも話題の作品になります。
しかし、その注目度の高いドラマゆえの批判も起きてしまいました。
ヴィンチェンツォで問題になったのが中国製品のPPLです。
PPLというのは要するに作中の広告ですね。(スポンサーの商品がドラマで使用される)
韓国ドラマには欠かせない要素になっているPPLですが、あまりに露骨で批判されるものも多いです。
例えばストーリーにまったくない商品説明みたいなセリフがあったりしますからね。
ストーリーに関係ない広告的なセリフは没入度が阻害されてしまうので、批判されるのも無理はありません。
僕も商品のアップ画はまだしも、セリフが入ると鬱陶しいと思う。
ヴィンチェンツォの場合は中国産のビビンバのインスタント食品を食べるシーンが問題になりました。
例えば日本のドラマでも、会社でカップ麺を食べるシーンは珍しくはないじゃないですか。
今回のケースも会社でインスタント食品を食べるというシーン自体は自然だし、決して没入度を阻害されるPPLというわけではありません。
(韓国だと差し入れの飲み物がPPLであるケースは多い)
しかし、デカデカと中国語で書かれた製品が映されると違和感はあるし、没入度が阻害されることにはなるでしょう。
日本のドラマでハングル文字が書かれた商品を食べていたら、批判されるのは目に見えているじゃないですか。
それと同じことが韓国でも起きたわけですな。
でも韓国人が見たら違和感はあるだろうけど、日本人が見たらさほど違和感を覚えることはないと思うんですよね。
むしろ見慣れた漢字が出てきて親近感がわく可能性すらある。
中国企業としては、そうして海外へのアピールに韓国ドラマのPPLに参入しているということですな。
今回、中国製品のPPLが批判されたことから、ヴィンチェンツォでは中国製品のPPLをやめる可能性も検討されているようです。
契約では4度PPLが挿入されることになっているようですが、残り3度をやめる可能性があるわけですね・・・。
スポンサー様の広告をキャンセルするなんて、よっぽどのことです。
韓国ドラマは景気が良いイメージもあるけど、実際には作れば作るほど赤字とも言われています。
だからPPLの広告収入はとても重要だし、ドラマ制作には欠かせない一部になっています。
いかにPPLを作品に馴染ませるかは演出の腕の見せどころですね。
今回の演出そのものは決しておかしなものではないわけですが、中国語が目立ったというのはマイナスにはなるわな。
でもそれは制作陣にはどうしようもない・・・。
単に中国製品が出てきたというだけではなく、韓国では中国の歴史歪曲も問題になっているみたいです。
要するに「韓国文化の発祥は中国が起源である」みたいなヤツですね。
その手の歴史歪曲議論もあるので、今回の中国PPLがより反発されてしまいました。
スポンサーの打ち切りになったらヴィンチェンツォの制作陣が気の毒だけどな・・・。
またtvNは先月まで放送されていた「女神降臨」でも過度な中国PPLが批判されていました。
海外からスポンサーが付くなんて、日本ドラマでは考えられないですけどね・・・。
それだけ韓国ドラマは世界への影響があると考えられているわけですから、喜ばしいことでもある。